聖衣が欲しくて得た力ではない

かつて、この三人に父の幻影を探し求めたことがあった。入社したての頃だ。幼い時分、父に蒸発された悠木にとって、会社の上司とはそうした存在だった。社会部デスクだった粕谷。サツ廻りを背負って立っていた追村と等々力。歳から言えば兄ほどしか離れていない三人の颯爽とした姿に、顔すら知らない父の姿を重ね合わせていた。強く、頼もしく見えた。恐ろしく懐の深い男たちに思えた。彼らが確固たる意思と信念のもとに記者職を生きていることを、いささかなりとも疑ったことはなかった。だが―。
(中略)
上司のメッキが剥がれるたび、悠木の心はささくれ立ったものだった。失望は大きく、それは後々まで尾を引いた。

良いんだよ俺は…兄さんになら
裏切られようがもう一度殺されようが
言ったろう?
兄さんは俺の世界の全てだってな


ネット上で言われてる点は、俺的にはあんま気にならなかったな。
本人前にすると自我が謎に歪むことなんぞ、よくあることじゃね?

















よくあることじゃね?




















声なき声で叫び続けている。
必死で戦っている。
懸命に食い下がっている。
ほんの少しでも弱気になれば、今すぐにでも振り落とされてしまう。

知っている。手を放してこぼれ落ちてしまえば楽になれるのだ。

by 横山秀夫さん

隔てられた世界の中
己を殺されまいと必死で屈辱の泥をすすっている

by 手代木史織さん



















この人女性なのに、よくこういう心理が分かるよな。