恐れないなんて無理。

宇多田ヒカルさん『wait&see』より

「(前略)人間、それまでプラスだと思って溜め込んでいたものが、何かの拍子に、いきなり全部マイナスにひっくり返ったりしてしまうのも、ありがちな経験だしね」
「そう。そうなの。まさにそれ。ミノル伯父さんが言ったのも、そのことなの。それまでずっと好きで、情熱を傾け、すべてを犠牲にして、精魂込めて描いてきた作品群だったはずが、ある日突然、どれもこれも紙クズにしか見えなくなった、って言うの。自分は人生の大半を費やし、すべてを注ぎ込んで、せっせと何をこしらえてきたかというと、すべてゴミだった、と(後略)」




誰の責任でもない自閉的世界でこうなるのは本当に怖いもんなんだよ。
立ち直るのに何年もかかるんだよ。





しかし。確かに。

「良くも悪くも伯父さんは、ペン画というものに半生を捧げてきたんでしょ?それが虚しくなりましたって言うんなら、彼が取るべき道は、ふたつにひとつ。その仕事を潔くやめるか、それとも泣いたり喚いたりしながら、あくまでもしがみつくか、ね。そのどちらかしかないはずでしょ?」

西澤保彦さん『方舟は冬の国へ』より


実にその通りである。









俯瞰せよ。俯瞰せよ。俯瞰せよ。俯瞰せよ。俯瞰せよ。
気にするくらいならな。どうせ気にするならな。

























この時期、当日の行進曲がわりのプレイリストの曲目を考えたりする。
そして作成したプレイリストを聴きながら散歩したりして気分転換する。
すると色々な情念が泡沫の如く浮かんでは消える。
不安でしょうがないとかでは全くない。しかしフラットでもない。
具体的対策を考えていたはずが、いつの間にか、これまでの人生の失敗を反芻して歯ぎしりしていたりする。
気にするくらいなら俯瞰せよ。