やってみたかったことをやってみた。/本当に本当に、嬉しかった。

大人相手に、キレたフリして相手の本音を引き出す。
…ということをやってみたいとふと思って、やってみた。








ごめんなさい。悪いとは露ほども思っていません。
こういうのに対応するのこそが社員の仕事ですから。
ゆえにこそ、あなたたちには広範な裁量があるのですから。















*—*

「話してくれ。どんな話でも聞く」
<……>
「何とか言ったらどうなんだ」
無音が闇を広げる。自分まで呑み込まれそうになる。それは恐怖に近かった。
「14年だぞ。もう14年経ったんだぞ」
<……>
「14年も部屋にいられるわけがない。だから手紙に書いたんだ。君はどこにいる。そこはいったいどこなんだ。天国か? 地獄か? 海の底か? 空の上か? なぜ独りでいられる? わかるように話してくれ。他の人間はそこへは行けないのか。家族でも駄目なのか」
<……>
「ファミレスであれを書いた。何を書いたらいいかわからず、悩んだ末にああ書いたんだ。俺の正直な気持ちだ。知りたいんだ。聞かせてくれ。そこはいったいどこなんだ」

















お前は一度でも、Xの生徒に対し、こういう気持ちで声をかけたことがあったか?

















然りと言えるならば、こうはならん。
そう思って授業し続けてきた甲斐があった。
















俺は今日、本当に、嬉しかったんです。



















広報官の職責を果たした。ために多くを失った。これから先、さらに失うものが増えるのかもしれなかった。しかし心は濁ってはいない。不安も悔恨も沈殿していく。上澄みが、救いのように胸にある。
背後で笑い声が重なり合っている。
三上はたった一つの実感を噛み締めた。
ここで、刑事部屋ではないこの部屋で部下を得た—。

by 横山秀夫さん










ああ、気持ちよくヘベレケになって、明日の仕事休みてえ。


いや、休まないけどさ。