いずれにせよ、間もなく清算が始まる。

戦場において、度を越した倫理道徳の類は致命傷になりうる。感情とは価値判断のショートカットだ。(中略)かといって野獣では任務をこなしようがない。殺すべき相手、負傷させるべき相手、それを適宜判断し戦う。殺すのは獣にでもできるが、戦うのは人間にしかできない。本能ではなく、あくまで自由意思から、相手を無力化するという行為は。

地獄はここにあります。頭のなか、脳みそのなかに。大脳皮質の襞のパターンに。目の前の風景は地獄なんかじゃない。目を閉じればそれだけで消えるし、ぼくらはアメリカに帰って普通の生活に戻る。だけど、地獄からは逃れられない。だって、それはこの頭のなかにあるんですから」

by 伊藤計劃さん

この本に出会わなければ遣り過ごせなかった地帯があって、それから3年と少しが過ぎた。
橋から見た霧の風景は未だ網膜の裏にある。





で。
http://project-itoh.com/sp/
今年映画化とか言いながら何にも聞こえてこないなー、と思ってたら、10月から怒涛の三連続かい。

かつ。
氏がこの原型を書き上げたのは、31歳の2006年春だそうで。





こんなこと言い出したら、尾崎の兄いは10代でアルバム3枚出して、それを俺は今日も聞いたわけだけどさ。たまたまだけれども。
だけどよ。そういう思考が溢れて止まらないんだよ。
気付いたら俺、兄いの享年過ぎててさ。凄い悲しかったんだよ。
アンタ逝ったの34だろ。冗談じゃねえよ。
生きて凄いの書き続けてろよ馬鹿野郎。






虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)